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第1回 FFは?

私はミシシッピ州ヴィックスバーグという小さな街にもう大分住んでいて南部訛りもいたについてまいりました。 ここではフライフィッシングは行われていないようです。

湖や川でのフィッシング。しかも水はかなりにごっているので魚にはきっとフライなど見えないかもしれません。 でもここの人たちはよく釣りをしています。 土地柄黒人の人が多いのですが、彼らは竹の棒をどこからかとってきて自分で釣りざおを作っているようです。 自動車の後の窓をあけてそこから釣りざおであろう細い竹が何本も飛び出させて走っているのは釣りにいく人たちの車です。

2001 6/9

第2回 アライグマ

おじじ様のサイトに熊注意のコラムがありますが、うちもクマが出ます。 アライグマですが、今の時期、子供が生まれて授乳時期の雌がおなかをすかせて昼間でも庭を徘徊しています。私のところには12匹の猫(6匹内猫、6匹外猫)がいるのですが、アライグマも猫の振りをして平気で歩いているのです。 猫のドライフードはほとんどこの人が食べてしまうのでこの時期家の外猫はおなかがすいてしまうので、きちんと朝夕の食事を付き添って食べさせています。

2001 6/10

第3回 クローフィッシュ

クローフィッシュといいますと、何だそれはとおっしゃるかもしれません。 アメリカザリガニです。南部とくにミシシッピ、ルイジアナの人たちはよくクローフィッシュを食べます。 スパイスのきいたたっぷりのお湯、そのなかにとうもろこし、 皮付きのジャガイモなどもいれていっしょにぐらぐらゆでて(これは屋外で煮炊きする)それを一気におおきなテーブルにバサッとあけます。

そのテーブルを囲んでみんな手づかみで、まず頭と胴をはなし頭についているわた(ちょっと私にはできないのですが、、、)をチュウチュウ吸い、頭はそれですてて、しっぽの終わりのところを指で強くつまむと中身がすっとでてきて食べられます。 いずれにしましても長年すんでいても私はどうもこの料理は苦手です。 これは特にこれからの夏の食べ物として人気があります。 冷やしたビールを片手に荒っぽくいきます。日本の人にも受けるような気がしますね。

私は釣り人ではないので詳しいことは申しあげられませんが、こちらでは釣りのえさにバッタを使っているようです。 田舎のお店に大きな網の箱などがあり中にバッタがいっぱい入っているのをみたことがあります。 何を釣るのでしょうか。 多分バスではないかと思います。

2001 6/11

第4回 男の世界

こちらでは釣りとあわせてハンテイングは重要な男の世界となっています。私としてはハンテイングに関しては複雑な思いがありますが、昔からずっと行われてきているので、こちらの人にとっては男も女もハンテイングは普通のこととなっています。獲物は時期によって変わりますが、リス、カモ(ダック)、アライグマ、鹿、そして七面鳥です。 狩猟の時期は市か州で解禁時期が決定され、その時期以外で狩猟をすることは禁じられています。

冬場のデイアハンテイングは一番重要視されており、この間男たちは狩猟用の服に身を固め、デイアキャンプと称する男の砦に週末たてこもります。キャンプに行く前に男達は食料を買いいろいろ準備します。この期間水道屋さんも、電気屋さんも姿を消します。緊急事態があってもつかまりません。 デイアキャンプに入ったら最後彼らとコンタクトはできません。この食料の準備は普段あまり奥さんに食べさせてもらえないようなベーコンだとか、彼らが食べたくても食べられない物をしこたま買って、うれしそうにトラックにのってどこかに消えていきます。

狩猟が目的とは思いますが、私の勝手な憶測のなかには、男だけですごすキャンプでの時間が魅力なのではないかと・・。 夜みんなでどんなことを話すのでしょうか。 釣りもどちらかというと男の世界的な雰囲気がありますね。 皆さん山の奥のだれもいない川で何を思い、どんな話をしているのかとちょっと思ったりしました。 そんなところにも釣りの面白さがあるのでしょうか。

2001 6/12

第5回 ヘビ

釣り人は山などに入るのですから熊もそうですが、ヘビはどうですか?
私はヘビに対してちょっと神聖なイメージを持っています。 こちらの人はヘビは全て毒蛇のような独断を持っているような気がします。 たしかにガラガラヘビもウオーターモカシンも、カパーヘッドも(これら全て毒蛇)ここにはいますが、無害で逆に私達が恩恵をこおむっているヘビもたくさんいるわけで、そこらへんをきちんと把握してもらいたいと知っている人には言ってきかせますが、ぜんぜん聞いてくれません。

ヘビの論文を書いている女性の話を聞く機会があり、その時ヘビも十何匹か実物を持ってきてくれ私ははじめてヘビを手にのせました。 その感触はとても忘れがたいものです。 ひんやりして、そうですね、なんとも筆舌につくせない感触でした。 毒蛇とそうでないヘビは目でわかるのですがそうとう近づかないとわからないのがちょっと難点なんです。 ちなみに毒蛇は猫の目のように縦長の瞳孔で、そうでないヘビは丸い目をしています。

庭でヘビをみかけると魚をとる網に棒で追いこみ裏の公園に放しています。 でもこのことは隣のヒルダには内緒です。 彼女は大のヘビ嫌いなんです。 ではまた

2001 6/13

第6回 花粉

日本でも花粉症といえばたくさんの人が苦しんでいると聞きますが、こちらでも同じです。 年々花粉症がひどくなるのは、木の動揺(本当は反乱と言いたい)ではないかと思ったりしています。 伐採がいたるところで行われ、木は種の保存の本能から亡くなった木の代わりを生むためどんどん花をつけて、子を殖やそうとしているのではないかと・・。

私の住む街には大きな製材所があり、大きな木がトラックに積まれて走っていくのを見ると悲しい気持ちになります。 何かの本で読みました。大きな木がきられて倒れるときに叫び声をあげると。 一応ちゃんと植林しているとは聞いていますが、、、。 

自然保護に関してはこちらでは子供の頃からいろいろと教育にも取り入れられてきていますが、本当に真剣に取り組んでいかなくてはならない事柄だと思います。 ナショナルジオグラフィーでとりあげられた、絶滅した動植物の写真入のリストを見て唖然としてしまいました。 恐ろしいことだと思います。 環境を変えてきたのは人間なわけですから。 便利な世の中が当たり前になってしまった今、その過程で様々な犠牲が出てきたことをきちんと知っておかなくてはいけないような気がします。 昔のようにもっと普段の生活の中で子供達も大人も自然に触れながら遊んで、その大切さをきちんと身に付けていってもらいたいと思いました。

2001 6/14

第7回 暑い夏は

私の住む所は夏には相当な暑さとなり、またこの季節の長いこと。 下手すると11月くらいまで夏がずれ込み秋はほんの一週間なんていう時もあるくらいです。 夏は早くて4月の末、5月には始まります。

暑いところで暮らすにはまずペースを自分でつくること。 外で仕事をしたりするときは、けっこうのんびりやったほうが効率よくいく場合が多いようです。 下手に早くやろうとすると、その分体力の消耗が早くなり、汗も必要以上にかくことになるのです。 そして汗をどんどんかいて、その分水分を補給して仕事を一つずつこなしていくのです。 そして肌を露出するより薄手の長袖とズボンを着用したほうが涼しいのです。 暑いからといって上半身裸で仕事する若者がいますが、あれは逆に結構暑いものなのです。 庭師のチャールズおじさんとジェームズおじさんを見ているとのんびり仕事しているようで結構着々と仕事はすすみ、あれっと思う間に全部済んでしまうのです。 今日二人を見ていて感じました。

そして暑いのが普通ですから、「今日は暑いねえ」とかいう挨拶はしません。 もう暑いということを無視して過ごすのです。 そうすると意外や意外、暑さはあまり気になりません。 そして葉っぱが風にそっとゆれるところなどに注意をすると結構涼しい気がしてくるものです。 この夏お試しください。

それと南部の夏の飲み物はなんといってもアイステイーです。 何のことはないテイーバッグでちょっと濃いめのテイーをつくりガラスのコップに氷をいっぱいいれてその濃いめのテイーをコップにそそぐだけ。 地元の人は砂糖で甘くするのがお好みですが、レストランなどでは Sweet? or Un Sweet? と必ず聞いてくれます。 もちろんここでは飲み物はおかわり自由です(アルコール飲料を除く)。 日本ではウーロン茶か麦茶ですね。
日本も梅雨明けとともに夏がやってくる時期、おたがいこの夏のりきりましょう。
  ではまた

2001 6/15

第8回 南部の縁側

今の時代は住宅の作りもアメリカ中同じようになってきましたが、昔エアコンなどない時代は南部特有の住宅というものがあったような気がします。 過酷な夏を少しでも過ごしやすくするためにされたいくつかの工夫がありました。 ひとつは高床式。 日本でも昔ありましたね、高床式住宅。 そしてもう一つはポーチです。 家の前側がポーチとなっておりそこにロッキングチェアや二人がけのブランコが軒から下がっておりここで暑さをしのぎます。 日本の縁側に似ていると思います。

ポーチに人がすわっていたりするのを見るとホッとします。 今の住宅は密閉式ですから人がいるんだか、いないんだか分からないし、なんか味気ないようにも感じます。 向かいのお宅にもポーチがあってそこで籐のいすにおばあさんが座っていたりすると、出かけていって世間話が始まります。 日本の縁側もちょっとはすに腰掛けて訪れた客と団扇をあおぎながらお茶飲んだり、夏休みに近所の駄菓子やで買った花火をしたり、時には昼寝などしたものでした。 ちょっと懐かしい昔が恋しくなった今日でした。
   ではまた。

2001 6/16

第9回  気に入った風景

私の住む街には山はありません。 でも何故か坂がたくさんあります。
ヴィックスバーグはミシシッピ川をはさんで向こう側がルイジアナ州となっています。 川にはツイン ブリッジといって国道20号線がとおる新しい橋と昔の橋が二つ並んでかかっています。 その近くに展望台のような高台があり、そこに夕方立ちますとそれは美しい夕陽を見ることができます。 ルイジアナのほうは真平らで視界の端から端までが地平線となり、その上に空がありその広さに圧倒されます。 空がこんなに広かったとはここに立つまで気が付きませんでした。

ゆっくり流れるミシシッピ川、そこをとおる貨物船、そしてずっと広がるデルタ、その上の夕陽それを一緒に見る時なんか得したような気持ちになります。 特別夕陽が美しいと言葉もでません。それと、街の中にドラモン ストリートという一区画がありそこには昔建てられた家がそのまま残されて道の両側にならんでいます。 一軒一軒が個性ある造りでなんとなく昔の様子が思われます。 市から古い家を購入してそれを修繕して住む人には減税(家屋税に対し)、もしくは補助が出るような制度があるようです。 歴史的建物を維持するためのひとつのプログラムです。 古い家が新しい家族によって修復され甦っていくのを見るのは土地の人も嬉しいようです。 ここは家が北部に比べて低価格なので北部から移って来た人たちはここで家を買って、さらにそれを修復しても向こうで売った家の値段からそれを差し引いてもどっこいどっこいか、もしかしたらおつりがくるかもしれません。

にかくこのドラモン ストリートをドライブするとなんとなくタイムスリップしたような気がするときがあります。
   ではまた。

2001 6/17

第10回 シカたないと言っても、、、

どうも何かおかしい。ブルーベリーの様子がおかしい。野鳥が食べるにしてはちょっと荒っぽすぎる。 どうもシカが夜の間に食べにきたらしい。 シカたないとはいってもブルーベリーは年一回の収穫しかできないしろもの、シカも柿も葡萄もアライグマに食べられるので、ブルーベリーくらいしか育てて食べられるものがないからやはり困る。 シカも実だけでなく葉っぱや小枝のほうまで食べてしまうので木に傷がつくし、、、。 シカし、かといって夜中見張るわけにもいかない。 シカたないのかもしれない。 まえカタログにあったあの手を使ってみようかと思う。 石鹸つるすとシカが寄りつかないとか、、、。

シカの他にもいろいろ問題ありの土地柄です。 雨が降らなくなるとアルマジロが出てきて、植木のまわりを穿り返しミミズや他の虫をたべるので、下手すると植木がだめになるときもでてくるし、シマリスはあちこちの地面に穴をあけ、彼らはかならず出入り口をいくつもつくるので雨が流れ込むと穴が大きくなり、時には大きな被害となるからこれもいけない。 シマリスは外猫が増えてからは姿を消してしまった。 動物もシカつ問題だとはいえ、ブルーベリーをいかに私達で確保するか真剣に取り組まねばならない今日このごろです。  ではまた。

2001 6/18

第11回 南部ことばをちょっと1

”ホー ヨー オール ドウーイン” (How are you all doing?)。 挨拶です。
仲間が集まったときに仲間入りするときにこの挨拶がでます。 南部訛りは同じアメリカ人でも北の方の人は通訳がいるほどむずかしいらしいです。 なんか言葉がどこで区切れるのかわかりにくく、でれーっとなって響くからだとおもいます。 あとイントネーションでしょうか。 「ステイル マグノリア」というジュリア ロバーツ、サリー フィールド、オリビア ドウ コッカス、シャーリー マクレーンなどの配役の映画は南部の言葉が飛び交います。 ここに移り住んで間もない頃、電話をとるのが恐ろしかったくらいです。 でももう今では南部訛りもいたについてきました。

あと、これは面と向かって言ってはいけない言葉ですが・・ 
   次回へ続く

2001 6/19

第12回 南部ことばをちょっと2

あとこれは面と向かって言ってはいけない言葉ですが、「レッド ネック、red neck」 = イナカモン、ちょっとさげすんだ言い方、あるいはごく親しい男友達がからかって言ったりするときもあります。 それと「ヤンキー」 これはよそ者、主に北部から来た人を指します。 南北戦争以来今でも使われている言葉です。

地元の人はほとんどここで生まれ育っているのでここは私らのところだ、といった思いが深くあるような気がします。 でもこの街は観光が大きな市の収入源となっていますし、あたらしいビジネスも必要でもあり、この風潮は少しずつ軽くなってきているようです。 そんななかここでは日本人はごく少ないし、彼らには未知の世界の人間というイメージがあるのかけっこう優しくしてもらっています。
  ではまた。

2001 6/20

第13回 いそがしい父兄たち 1

こちらの学校には体育の授業がありません。 体育の時間に怪我やアクシデントが生じた場合の学校責任の問題が影響しているのだと思います。こちらですと(Law Suits)裁判沙汰になることがよくあるからではないかと思います。 でもこちらの子供達はスポーツをさかんにしています。 塾などありませんし、とにかく遊びに熱心です。 そのかわり学校が終わるとサッカー、ソフトボール、テニス、フットボール、バスケットボールなどそれぞれのスポーツプログラム (これは父兄がコーチなどボランテイアでしている) に行きます。 子供達はスポーツをよくやりますし、父兄も試合などになると熱がはいります。 おじいさん、おばあさんも応援に繰り出します。
 みんな叫びます。

2001 6/21

第13回 いそがしい父兄たち 2

送り迎えは父兄の仕事です。アメリカの生活は車社会ですから、どこへ行くにも送り迎えが必要となります。 また友達同士で歩いたり、自転車でいける距離には練習場はないからです。 お母さん同士がスケジュールを話し合って「今日は私が当番」みたいに当番制にすることもよくあります。こどもの中にはテニスとバスケット、サッカーとソフトボールなど掛け持ちでやる子もいますので、そんなときは父兄はそれこそ大忙しです。練習場所、時間が違いますからそのスケジュールによって運転手となるわけですから。子供のスポーツ参加に対してこちらの父兄は大変真剣に取り組んでいるように見受けられます。 普段の夕方から夜、さらに土日はもう子供のスポーツで明け暮れます。 何人も子供がいる家族は大変です。 お父さんは今週この日の何時に何処そこで誰、そのあと誰誰をピックアップして、私は誰誰を何時にどうして、こうして、、、と 

大変でしょう? 聞いただけでも。

ここでは子供は15歳で仮免、16歳で車の免許取得ができます。年齢的には少し早いかと思いますが、親たちは子供が自分で動けるようになるとホッとするようです。そのかわり低年齢層の自動車保険は高いですよ。   ではまた。

2001 6/22

第14回 南部の枝豆

日本では夏にはビールと枝豆はもう定番ですね。 ときどきこの枝豆が恋しくなります。 ソイビーンはこちらでは特産なんですが、枝豆や、大豆を店で見たことがありません。 お豆腐は今ではどのスーパーにも置いてありますがあまり人気商品とはいえないようです。 アッといけない。 いつも話しがそれていってしまいます。

さて、そんななか枝豆に変るたいへんありがたいものに出会いました。 それは、ボイルド ピーナツ(ピーナッツとは言わずピーナツです)。 塩を効かせたお湯で殻付きの“生“のピーナツをゆでます。 それをボールにあけて熱いうちに食べてもよし、冷めてもよしです(でも茹でたてがやはり美味い)。 なんか栗ににた口当たりも感じて私は結構気に入っています。 あくまで生のピーナツでなくてはなりません。 日本で売っている殻付きのピーナツはみんなローストしてありますのでこれを茹でたらどうなるかわやってみないと分かりませんが。 枝豆が食べたくなるとこのボイルドピーナツ食べます。 生の殻つきピーナツが手に入ったら是非お試しください。
  ではまた。

2001 6/23

第15回 南部の枝豆 の続き

続きです。 こちらでは”生”のピーナツよりも新鮮な ”グリーン ピーナツ” といいますが、日本ではなかなか入手不可能かと思います。 もし自宅でピーナツを栽培されておられるかたなら可能でしょう。 塩加減はスパゲテイーを茹でるくらいの鍋に水を入れ、塩をカップいっぱいくらいドッと入れます。煮立ててからこの”グリーン ピーナツ”をいれて中火(ぐらぐら煮てはいけない)で約2時間くらい茹でます。 ビールと一緒に茹でたてをお召し上がりください。  おいしいわよ

2001 6/24