釣れない言い訳(しょの1)

(そんなことやってるからだよ。まったく・・・トホホ)

この夏のN湖遠征の報告をおじじさんからリクエストされたのですが、いかんせん目的の本命ブルーバックレインボーが一匹もつれなかったとあっては情けなく”ショボン”なのです。と言うわけで、今回はちょっと脇道にそれた(釣れない言い訳 トホホ・・・)報告をいたします。

例によって我ら中年毛針同好会(毎回名称が変わる)は、ここ数年、7月でもドライの釣りが楽しめるこの湖で3泊4日のフィシング&キャンピングが夏の最大の楽しみになっています。梅雨明けを狙って遠征するこの湖は標高1500mのダム湖で、その涼しさと、ドライフライにガバッと出る、背鰭の蒼いレインボーで有名です。湖岸には野アザミが咲き誇り、後を追うように黄色いキスゲの花が開く夏の楽園であるこの湖では、実はこの時期知られざるお楽しみがあるのです。 それは産卵期を迎えて、湖から小さな流れ込みの沢に集まるウグイ釣りなのです。この婚姻色に染まったウグイは、昨年から我々は”ダースモールちゃん”と呼んでいますが、(スターウォーズ・エピソード1より)これを予め定めたレギュレーションで多く釣りあげるというものです。ちなみに昨年のレギュレーションは、

(1)服装は半ズボンとゴム草履とし、オヤジガキのスタイルを踏襲する。
(2)フライとティペットは使用可、あとは周りから拾った材料で釣りをする。

といったシンプルな物でした。
我が相棒のH.Sさんは、ここでも非常に凝ったタックルを開発しております。中空2本継ぎ、枯れ木ロッド+ドライフライ(ウワッ・・CDC使ってるよ!)。対する私のタックルはロッジ脇に捨ててあった”エビスビールあります”の昇り心棒ロッド12フィート(スーパーヘビー?アクション)+MSC16番。まあ、、釣れるわ、釣れるわの大爆笑。流れ込み付近で、ロッドを振っていた本格フライフィッシャーには完ペキに勝ちました。(大笑い)

ふと我に返って見回すと、友人H.Sさんがストーキング!しています。
おッ、フォルスキャスト?しています。いやしようとしていますが難儀しています。
(それもそのはず、ロッド直結のティペットでは難しいでしょう)
 おっ、フライを流しています、・・・、釣れたようです?
いや、ロッドが連結部から折れて、曲がってたれてしまっています。大変なことになりました。・・・

とまあこんな楽しみを昨年見つけまして、今年もダースモールちゃんでいこうとやってまいりました。N湖へ!
本年度のレギュレーション変更は昨年度の(1)(2)に加えて

(3)Flyはその辺にある植物やゴミから作成。Hookのみ既製品使用可。

という物でした。ところが、なんとまあトホホな事に、今年は何故か本命ポイントでも全然反応がなくて、モーニング、イブニングともに全敗(来るのはウグイのみ)ときました。日中のしゃれのつもりのウグイ釣りにもそぞろで、思わずライズめがけて3番タックルを持ち出す始末。結果、ご禁制のちびイワナを3匹しとめました。(も、もちろんリリース。)ただし、新たなスリルを発見いたしました。湖のでっかい鯉が、ウグイの卵を求めて集まってきていて、こいつに間違ってフッキングしたら、タックル崩壊の畏れがあります。

かくして釣れないオヤジガキは、それでも楽しい時間を過ごしたのでした!

つづく。

釣れない言い訳(しょの2)

(毛針釣り師のキャンプでごはん)

  えー、まあ、そのー、うほん ー
釣りというものは自然と野生が相手ですから、時には(ここんとこ大事)釣れないこともあるものです。そこにもってきて、我ら中年毛針同好会は、まあ前回告白しましたように、諸々の煩悩が渦巻く”じぇんとるはーと”なおじさんの集まりなもので、その釣れない頻度がちょっとばかし多くなるのが欠点です。
んで、今回は、言い訳(しょの2)として、フィシング&キャンピングで怪しい料理にチャレンジ・・・
  かくして釣れなかったという報告をいたします。

イントロ
フィッシャーマンたるもの、釣りに没頭して食を忘れるのは世の習わしのようですが、なにせ我々、釣れない頻度が多いものですからそうも言ってはおれません。結局、キャンプ地ではあやしい食卓に必要以上の情熱を傾ける羽目に陥るわけです。これは釣れないからキャンプのご飯に入れ込むのか、入れ込んだ故に釣れないのかといった、永遠に解決しない命題ではありますが、まあ我々にしたら実のところ何でもいいのです。

(魚釣りなんて・・うまいもん食べて、鮭が、もとい、酒があればポイッだあぁ〜)

そんなわけで、釣れないレシピをご紹介いたします。

釣れないレシピ1(ポトス・・・いや・・・ポトフ)

つづく

釣れない言い訳(しょの3)

釣れないレシピ1(ポトス・・・いや・・・ポトフ)

我が相棒のH.Sさんご推薦の簡単バカウマ料理です。

材料・・・タマネギ、固りベーコン、ジャガイモ、キャベツ、その他野菜、固形スープの素
作り方・・とにかくおおざっぱに切った野菜とベーコンを固形スープの素で煮込むだけ

ポイントは釣りに出かける前に炭をおこしておいて、これに鍋をかけっぱなしで出かけることです。イブニングに入れ込んで、帰りが遅くなっても、すぐに暖かいポトフ??にありつけます。また釣れないでヘトヘトになった体と精神を、ベニョベニョと煮くずれた野菜と、ホロホロのベーコンの固まりがやさしく慰めてくれます。
もう一つのポイントは大量に作ること。初日に作って煮込むこと数日、毎日食べて最後はカレーといった荒技が可能で、釣れないフィッシャーマンに少しでも長くポイントで過ごす時間をお約束いたします。

釣れないレシピ2(ギョウザ)

  何故なのだ? 何故かギョウザです。
 皮・・・・ 強力粉を打って手作りです。強力粉と塩と水
 具・・・・ 余ったキャベツと余った(くどい!)チャーシューなど

これも相棒の今回遠征の秘密兵器でした。でもって、この皮つくりがミソなのです。決して自分のテントサイトでこっそりやってはなりません。水場で他のキャンパーの前で、どうどうと打ちましょう。 
そうです、ポイントは皮作りなのです。だいたい炊事棟で皮を打ち始めると、物珍しさに他のサイトの、とくに女性陣(あんまり若くない)が興味示します。そこで、日頃タイイングで鍛えた繊細な?指先が物を言います。おもむろに延ばした皮に具を包み、クニクニクニ・・・とひだを付けながらギョウザを包みます。

ワオ! たとえ40cmオーバーのブルーバックを仕留めようとも、こんなにも周りの注目を集めることは難しいはずです。とにかく最近の女性陣は”手作り”ってほんと未熟になっているらしいです。

まだまだつづく

釣れない言い訳(しょの4)

釣れないレシピ3(パン)

自分で焼きます。なにせ、市販品はかさばる上に、いい加減なパッキングの為に、多くの場合は潰れて無惨です。おまけにナチュラリスト?のフライフィーシャーマンとしてはYザキ等市販のパンに添加されている乳化剤なる界面活性剤が、なんか洗剤を食っているようで気に入りません。

材料・・・強力粉、塩、砂糖、ドライイースト。
作り方・・ぬるま湯に砂糖を適量、これにドライイーストをいれてちょっと予備発酵(必要ないかも)させます。塩を適量加えて、強力粉を投入してコネコネします。

決して打ち台などは使ってはなりません。後始末が面倒なので両手で握力の限りこねます。途中でオリーブオイルや、あればショートニングやラードなどの油脂を混ぜると良いかもしれません。これをコッヘルや鍋の中で発酵させます。約2倍に膨らんだら整形して焼きます。フライパンに乗せて焼きますが、すっぽりかぶるコッヘルや裏ごし器(スレンレス網がついたふるいみたいなヤツ)をかぶせて、上に炭を載せると意外にうまくいくかもしれません。ちなみに我々は後者の方法で、しっかり焦げました。
「発酵など待てん!」というせっかちな方は、適当に楕円形の煎餅状に延ばして、両面を炭火などで焼いて「ナン」又は「チャパティ」などと’うそぶいて’食卓に運ぶと尊敬されます。応用でピザモドキも焼けます。

釣れないレシピ4(ぶどう酒)

酒なら何でも良いのですが、前回不覚にもバーボンで日中意識を失いかけましたので、こんかいはこれとビールです。ビールは酒ではない!と、学生時代のクラブで洗脳されましたから、酒ならぶどう酒(ワイン)というわけです。 最近マニアな方が多く、日本全国ソムリエな方々が大勢いらっしゃる手前、なんとなく気恥ずかしいが故の”ぶどう酒”なのですが、値段も手頃でお気に入りの第三国産のワインが気分だと、相棒と意見が一致しております。これも、こっそり隠し持ったガラスの器にていただくのが、おいしいようです。やっぱり酸化したアルミシェラカップでは、釣れなかった言い訳がよけいにその白い錆に吸い込まれそうな錯覚を覚えますし、それどころか酸化アルミはアルツハイマーな病の引き金になるとの噂もしきり。ちょとガラスに拘ります。ちなみに僕はレキサンっていうプラスチックのコップ、相棒はガラスのグラスを愛用しています。

実はもう一つ、意外なのが発泡ぶどう酒(スパークリング、ゼクト、カヴァの類)で、なんか知らないけど、飲んでいると妙にハイな気分になります。おまけに標高が高い地での開栓は、バシューと実に危険で景気のいいものです。お手頃品を釣れない夜の慰みにお勧めします。

こうして紹介してきました釣れないレシピですが、結局読み返すといい加減なモンばっかり作っていることに気がつきました。

こんな事ばっかりやっているから釣れないんだよ!と何処からか聞こえてきそうで・・  ワッハハハ・・・

おしまい