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質問の中から

ダビングについて

ダビングはボディー仕上げの大切なテクニックです。堅くすっきりしたもの、ボサボサやフワフワなボディーなどを自由に作るには、それぞれ違ったテクニックがあります。またマテリアルによっても変わり、大きく分けて次の方法があります。

マテリアルによる違い 形状による違い
  • 短く、柔らかい繊維
  • 短く、堅い繊維
  • 長く、柔らかい繊維
  • 長く、堅い繊維
  • 細く堅いボディー
  • ふわふわしたボディー

繊維と書きましたが、化学繊維、植物繊維、獣毛、羽毛と何でもダビングできます。「ダビング」の正確な意味はともかく、hookに糸と一緒に巻き付け、ボディーを成形すると理解してください。次回から、細かく解説していきます。

ダビングマテリアルについて

ダビング用のマテリアルは、植物繊維の全てと、鳥類の羽根や獣のテール類、ディァ、エルク、ムース、アンテロープなどの堅いヘアーを除いて、全て使うことが可能です。また化学繊維はモノフィラを除けばほぼ全部使えます。そうです。シュロの葉や、麦藁ですら細かくすることによりダビングできるのです、でもたいていのフライマンは、パターンブックに書いてある物を使っていると思います。

発想を変えてみましょう。
注目は、ディア、エルク。ムースなどのアンダーファーです。たいていヘアーを使うときには捨ててしまいますが、ダビング材としては油分が多く大変優れています。ただ少量しか取れず、色もないことからたくさん巻くには大変でしょう。
もう一つはセーターなどの毛糸です。化学繊維のダビング材は、元々布や毛糸用に作られたものを流用したもので、中にはパックの中に毛糸そのままのものが入っていたりします。堅めで太めな毛糸はダビングの用途が多く、ニンフのレッグなどにも使えますし、撚ることによりドライボディーにも充分使用できます。かえって極細の柔らかいダビング材より水分を吸いにくく良いかもしれません。

最近は「ブラシ」と呼ばれるものが市販されています。また「ブラシ」を作るキットもあります。大変便利ですので水面下で使うフライには重宝しますが、ちょっと値段が高いですね。キットで自作しますか?

短く、柔らかい繊維のダビング

短く、柔らかい繊維は全て動物性の物ですが、代表はミンクテールアンダーファーとモールファーでしょう。油分が多く浮力に優れていますが短い繊維のためダビングはしづらく、今はあまり使われません。(簡単に出来る化学繊維があるのですから)
あえてダビングをするなら、T社のシリコンワックスかグルーの使用をお薦めします。絶対付けすぎないこと!  また、スレッドと一緒によく撚ることが大切です。フアイバーが立ち水の浸透を防ぎます。    後は練習  練習!

短く、堅い繊維のダビング

短く堅い繊維の種類はそれほど多くなく、代表は「ハーズイヤー」でしょう。小袋で市販のものは耳の毛100%ではなく、ガードヘアーを含めたボディーヘアーです。

「ゴールドリブドハーズイヤー」を巻く場合は「イヤー」だけでは堅くて短すぎるので、グルーを使ってダビングをしますが、釣りに使っていると、短いガードヘアーは抜けて無くなってしまいます。良い方法は、市販の小袋に「ハーズイヤーコンブリート」から切り取ったものを混ぜるのがよいでしょう。切り取る場合はハサミでは難しく、カミソリを使います。お薦めは「ハーズマスク(顔)」コンプリートを全部切り取り、よく混ぜて、ループダビングで使うとガードヘアーが多くかっこよくできます。

長く、柔らかい繊維のダビング

長く、柔らかい繊維はたくさんあります。絹・植物繊維・動物のアンダーファー等のナチュラルなものと、化学繊維です。通常使われるのは、化学繊維の柔らかい物がもっとも多く、ついでラビットファーでしょう。ダビングの方法は最も簡単ですが、失敗する人の多くは、量が多すぎて撚りが足らないように思います。できあがったボディーがふわふわでは、頬ずりする時にはいいのですが、ドライフライでは水面上で毛細管現象によって水を吸ってしまいます。沈むフライでは、撚りの少ないものは抜けてしまいます。ではどうすれば!

「スレッドにワックスを付けてマテリアルをかたく撚りつける」これは非常に難しく、  「スレッドと一緒に」が一番簡単です。大切なのは、繊維の方向を揃えないことです。

このとき「ダビングワックス」は必要有りません。(ワックスの功罪は後で書きます)

お薦めマテリアルは商品名「FLY・RITE」 柔らかくても張りがあり濡れた時の退色も少なく、狙った色が出しやすいので、私も愛用しています。

長く、堅い繊維のダビング

長く、堅い繊維は意外と少なく、シールズファーとプロショップS社の化学繊維くらいでしょう。ダビングの方法は、前項で書いた方法と、ループダビングしか有効ではありません。しかも堅めにしないと必ず抜けます。(最近、おじじは「抜ける」が禁句になりそうです)  又、よく揉み込んだり、少し濡らすとダビングし易くなります。
シールズファーは、ストリーマー、サーモンフライ、ニンフなどのボデイーに使われ、水中でのアピール度はポーラーベァーと並び抜群です。古くから人気の高いマテリアルのひとつです。しかし今後は化学繊維がとってかわることは間違い有りません。

細く堅いボディーのダビング

通常細く堅いダビングは、ドライフライのボディーに使われます。ニンフにおいても堅くする場合もありますが、マテリアルの量を多くして、リビングの間から掻き出したりします。

ドライ用のボディーは、「長く柔らかい繊維のダビング」のところでの方法と同じで、マテリアルをフックシャンクにひと巻きした後、スレッドと一緒に撚っていきます。(通常は自分から見て反時計回り)あまり撚りすぎるとスレッドが切れますが、そこは加減してください。又パウダー状のフロータントを指に付けると作業がしやすくなりフライ自体の浮力も増すでしょう。

マテリアルの量は、かなり少なく、ビギナーがつまんだ量の半分以下で充分です。また堅く撚ることにより毛細管現象での水の吸い上げを少なくするとともに、スレッドが透けて見えてしまうのも防げます。そしてわずかのテーパーを付ければ完璧です。

マテリアルの量と撚りつける長さは、スレッドの張りの強さと同様で、ファイバーの太さにも左右されますので、感覚で覚えるため、ただ練習有るのみです。

覚えるためには集中して200〜300本巻きましょう。

ふわふわしたボディーのダビング

ふわふわ・ぼさぼさのダビングは、通常ニンフやストリーマーのボディーに使います。つまり、水になびくふわふわ感を強調するため、水中で使用するフライに用いられ、ドライフライではこのテクニックは使いません。ふわふわといってもはじめから柔らかくダビングをするわけではありません、代表的なフライは MSC、HNニンフです。

文字にすると複雑に感じますが、リブの作業が増えるだけです。
リブ材は、ワイヤーは不向きで、掻き出したときゆるまないように、伸縮するものが適しています。タイイング用マテリアルにはちょうど良い物が見あたらず、私はドイツ製COATSのポリエステルメタリックというただのメタリックミシン糸を使っています。

この「ふわふわしたダビング」はフックシャンク全体に巻くのではなく、部分的に使うことによって、ニンフの レッグ・ギル などを模し、またストリーマーでは全体をテーパーにカットする事により小魚に似せる事も可能です。

では巻いてみましょう!!


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