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質問の中から

ハイフロートにするには

昔から伝わるトラディショナルフライ、美しくまたよく釣れるフライばかりです。誰でもマイフェバリットにひとつは入っていますよね。綺麗なウイングと、悩ましいハックル。シュンと伸びたテール。とっても美しい形です。これら、トラッドなドライフライは、皆ハイフロートになるように作られました。(一部まったくコンセプトの異なる物もあります)

ハックルとテールの両先端で浮いて、フックベンドは空中にある。
これが大切 !

ハイフロート(以下HFと略)の利点は、魚から見てそのシルエットがぼんやりしていることです。(あくまで人間の目で見た想像ですが)  そのプロポーションを作るための各部分のサイズは、シャンク長とゲイプ幅から割り出され、図になってタイイングブック等に載っています。でも、その図の通りに巻いて本当にHFになったでしょうか? 答えは否です。

Hookに対する各部分のマテリアルの比率の図は、30年も前に出版された本に載っていて、ここ数年日本国内で出版されたタイイングブックにもそのまま載っているものが殆どです。また当時のフライフックと現在多く使われているフライフックでは、基準となる大きさが違っています。 つまり昔の標準の図を使い、現在のフックで巻いてはHFにはならないということです。
標準的なT社のTMC100で見れば、昔の標準・マスタッド94840と比べてシャンクは長く、ゲイプもわずかに広がっています。そうです。各部のマテリアルは長くしなければHFにはなり得ません。おおよそ 1.2倍ほどでしょうか。長くすると一回り大きい針になってしまいますが、HFに拘ればこれしか方法がありません。

でも、HFじゃなくても釣れちゃうんだよね

WGでハイフロート?

上記の「長くすると一回り大きい針になってしまいますが」の続きです。
現在のドライ用の針は、「昔に比べて少し大きくなっている」と書きました。とくに ”ゲイプ ”は”WG”と表示してなくても広がっています。多分、針掛かりを良くするためにしてあると思いますが、WGフックと共に、”ハイフロートフライ”を巻くときに、疑問がわいてきます。

HFフライのハックル長さの基準は、ゲイプの幅の○倍と書かれるのが普通で、それに対応したハックルゲージなる物もあります。WGフックに巻けば当然ハックルはわずかに長くなり、それに伴いテール部分の水面に対する角度を大きくしないために(大きくなると表面張力を破りやすくなります)、当然テールも長めにします。するとどうでしょう。見事に大きいフライができあがります。針掛かりを良くするためにWGにしたフックでHFに巻くと、大きなフライができあがるわけです。これではWGのメリットが生かせませんよね。
パラシュートフライやエルクヘァーカディスで良く釣れるのはご存じのとうりですが、皆、ボデイーは水面上にありベンド部は水中にあります。又おじじの経験上からも、フックのベンド部分が水面下にあった為に釣れなかったことはありません(魚に訊かなきゃ判りませんが・・)

HFフライをキャストして水面に浮いた状態をよく観察すると、最初の1〜2回は確かにテールとハックルで立っています。でもその後はいくら水切りしても、うまく立ってはくれません。そうです。ベンド部分は水中にあるのです。そしてハックルの付け根の部分の気泡によって浮いていることが多いのです。特にピンポイントを狙ってキャストしたものは先ずHFにはなりません。HFにこだわって2〜3回のキャストでフライのメンテをしていては、楽しみも半減するでしょう。

結論は、こんなとこでしょうか。

おまけ
完成フライを器に入れた水に手で置いて浮かべてみますが、これは自然状態ではないよね。おじじは、浴槽で水をかき回してから1m位の所から落として確認しています。もちろんティペットを付けてですが・・

ドライ用「Genetic Hackle」1

一般に鶏の雄の羽根を使いますが、今はFly専用に品種改良されたもの、「Genetic Hackle」がよく使われます。その代表的なメーカーはアメリカW社とアメリカM社で、この2社以外にもありますが、あまり出廻っていないようです。また、それぞれ特徴があり、両者を比較すると、W社のものはストークが細く、M社のものはフアイバーが細くなっていて、従来のインディアンハックルに比べて、価格は高いですが、#16以下のハックルの多さはそれを補ってあまりある価値があります。それぞれ3から4のランクと、体の部位によって価格も変わりますが、W社の最高ランクのものの美しさは、目を見張る物があります。使うがもったいなくなるほどですが、使わないとFlyが巻けないので、いっぱい使いましょう。

ドライ用「genetic hackle」2

Genetic Hackleには、コックネック、コックサドル、ヘンネック、ヘンサドル等がありますが、通常は雄(コック)を使います。はかなさを演出するために雌の首の部分(ヘンネック)のハックルを使うドライフライもあり、水面に張り付いているようなダンなどには効果的なパターンです。また、ハックルティップウイングやソフトハックル(ウェット)にも使えます

ドライハックルのお薦めは、コックサドルです。ネックに比べて値段も安く、同サイズのハックルがたくさん取れます。ハックルケープ1枚で3サイズ合計300個以上作れます。更にコックハックルの2枚か3枚取り付けと、プライヤーの使用の手間を考えると、とっても扱いやすいと思います。また、W社のドライ用サドルハックルはストークが細く、重なってしまってもファイバーがグチャグチャになりにならず気軽にすいすいと巻いていけます。サドルだからといってその品質が劣るわけではなく、コマーシャルフライの全てに使われています。ぜひ使ってみてください

うーん  でもコックネックの最上位のもののあの艶は捨てがたい。



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